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はじまりましたね、中田多哉センセイが新作
 相応に、そう、、、それなりに、じぶんの世界なりに、目線なりに、問題を抱えているらしいことをあるいはグチめいてこぼしあいながら、一方が、やや味のある、あるいは伝習の重さを古さとしてしのばしているような、石造りのハシに寄りかかるような姿勢でいて、、、男子学生ふたりが、学校帰りでしょうか、寄り合ってますね。すこし遠のいた町なみにあって、ひとけもそんなになく、しずかでありそうな、まわりの様子、、、。かわらず、絵も、学生らの口調なんかも、逸脱せず、現実に収斂するよう抑制されていて、その点で、甘くなく、はっきりとしたものを出さずに、じわりと効いてくるよう、雰囲気が一歩一歩醸成されていて、のらりくらりと、正面からくる、、、ちからを受け流す感じです。現実支持で、また狭い現実の様相にあって、すこし息苦しさも出てくるような中田世界ですが、そうして下地をしっかりさせておいて、たとえば”さいなむもの”では兄弟がはらむ異常な罪の行い、また、それについての日常をおびやかす弟のがわのこころの様子を、他方、”許容範囲”では密室での、なにげない、日常にさす、常識のほころびを、つまり、コンクリート志向の現実的絵柄とお話のなかに、そんな、ヒビワレを描いてきてるわけですね、中田さんは。ぬるいようでいて、壊れないような、現実世界、その、しかし壊れ得るかもしれない、といった、亀裂を。そこには、なにか、潜在する熱さがあるのかも知れません、マグマのような、溶融をしめす炉の色合いのような。新作”とどめる”の、、、はじまりはじまり、、、!