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どうもどうもくれおですっ。今日の日、うるわしのあなたはいかがおすごし???
 先日お伝えした、”大人まんが”報告第2弾を。、、、いろんな方にお引き合わせします。ゆっくりしていってくださいな。

 第二部”大らかに笑え!”、からなんですけど、ひとりめの大おとな表現者、園山俊二超プロ、───そう、知ってますよね?───”ギャートルズ”ッッッ。
 獣皮みたいなんを体に巻きつけた、原始のひとたちの、でこぼこ、そぼくな様子。歯ぁ出した丸鼻のおとこのひとが、開始早々、石オノで、カポッ、って目の周りの黒いたぬきをひっぱたいています。ま、狩りのザ・瞬間なわけですけど、なんか、見てて、無条件に楽しい、、、ですね。さっぱりしたもんや。”大人マンガ”って、見た目、絵柄が、落書き風味なんですよね、まあ、意図して、その絵柄にとどまっているんでしょうけど、イケテル人とか、服とか、アクセサリーとか、ほぼ、出てこず<笑> そういう意味じゃ、非ビジュアルまんが、反ビジュアルまんが、ですよね、ンで、必然、吸引力───単純に、強引に、読み手はたまた通りすがり人を引き込む美の力が、弱い、ということになりますか。むろん、落書き風味にはそれ相応のよさがバリバリっと発揮されてあるわけですけど、簡易的像と美的像あれば、ひとは生理的に、美的なほうへとその必要に迫られ、吸い寄せられていくわけでしょう。ともだちとこいびとどっちが大事か、という究極的ともいえる問いあれば、、、それは、、、的な、ね。美的の方が、それぞれの、生存の核に迫る、、、。耽美、とかいう言葉もありますけど、美は、ひとをして、よく、巻き込みます。
 あと、画面がびっちり重圧をかけるように、といってもいいように描き込まれている、、、そういう、しっかりびっちり発展発達系現代マンガの水準とは対照的に、白いんですよね、おとなまんがって。余白的で、余裕的。イキ・玄人の世界、とでもいうのかな。このギャートルズもその点、画面はいかにもシロっぽいわけですけど、でもそれがむしろ、ここでは、原始広野って感じの世界観にうまく呼応してて、のびのびとしてて生きてる、って感じがします。コマのなかの白いこと、それ、すなわちたいへんに、広々としてて、きもちよし、です。わずかなページの抜き出しでしたけど、、、ギャートルズ・ワールド、、、おもしろかった、、、!
 つぎ、馬場のぼる超プロ閣下、”ハナの長いイノシシの話”。う~~~~~ん、これはむずかしいマンガや。そのあとにて付された、呉ハカセによる解説文を目にしてて、いくらか得心したように思ったんですけど、長尺のひと、みたいですよ、この馬場センセイ。じわじわ利いてくる、、、たたたと面白さを採掘しようとするひとはつつつと通り過ぎてしまう、、、瞬発的ならぬ魅力、、、みたいなのがどうもマンガ空間を、霧のように漂っているみたいです。前ハカセをしていわれるに、唯一無比のほのぼのマンガ、と。発達し、細密・緻密・人格神経的に繁忙、、、になってしまったマンガ表現なんかがどっかに忘れてしまった(かもしれない)、のびやかさがある、と。う~ん、いや、そうかも。読んでて、悪くはなかったんですけど、やっぱり、すっぐ、というわけにはいかず、ひっかかりづらい、、、すこしずつ、からだに浸潤していくのかも。ほかのも、読んでみたいです。
 そうそう、出会えるものなら、出会いですよね、忘れがちな、、、おおらかで、のびやかな表現、なんて───。しんこきゅ~~~う、しんこきゅ~~~。ふぅ~~~、、、深呼吸する、そのこころ。
 第二部ラストは三人め、滝田ゆうセンセイ”ネコ右衛門太平記”ッ。
 ちょいと、ぐにゅぐにゅした、酔いを含んだような、尿意をもよおして思わずしらず小刻みにからだをふるわしているような、そんな線がおどり、作品となる世界がみな、生きていることを、こちらに伝えてよこすよう、です。時はそれ、われわれの先祖が刀時代のころのお話で、わぁわぁいう熱気こもる、サイコロ賭博の場とか、酒肴と字ある提灯どころの酒かわすちょっとしたしっぽり模様とか、出てきますけど、情緒がちょうちょうのように舞い飛んでいますね、生活のこころが画面中にたゆとうている、とでもいいましょうか。ぐにゅぐにゅ線が生き生きしてますね。こころが、かかる世界を規定する線に説得されて、酒無防備を誘うよう、やわらかくなっていくみたいです。そう、だらりんとした、生活の息吹、とでもいいましょうか、なんじゃかんじゃ、、、肯定感がありますね。でぇ、ふきだしのなかに、まあ、もちろんセリフがあるわけなんですけど、あと、そこに、絵だけがあったりするんですね、お侍がお酒のみにいく道なかでは、ふきだしのなかで、とっくりと、おちょこみたいなんが弾んでたり、急な雨にあってはしってるときには、かさがあったり、ね、絵で、しめす、セリフのかわりに。これがなんか、おもしろいですよ、珍妙で。ふふ、なんか、かわいらしい。ネコ右衛門太平記、、、作品世界、、、なぁんか、地味? はは、そうかも。地味っちゃあ地味だ。いや、地味で、枯れてる、、、そんな傾向はやはり、おとなまんがのもつダメでイイ、ヨクてワルい、一長一短の特質でしょう。でも、滝田超プロのこの作品の線なんか、たしかに、こころがやどっていると思いますよ。どうぞどうぞ。地味おそれず、たまには地味に飛び込み、そうして一度、お会いになってみたら? そうです、そうです。ささ。お引き合わせします。

 滝田ゆう超プロせんせい。一九九0年、おんとし五十八歳に及ぶまで、この世の方で、、、おつとめになられたようです。馬場のぼるセンセイ、、、1927-2001。園山俊二センセイ、、、1935-1993。さあてあとには、快作、傑作のかずかずだけが、のこっているようですので。、、、、、、、